餅つき
masam48さんの日記「杵のつきたて餅を二箇所の農家で買い、二種類を味わったが全然違う。こんなに感触が違うとはこれはもち米の違いかもしれない」に一言申し上げます。
田舎での餅つきには そのつき方 にも 道具にも 結構 こだわりがあるものなのです。
私が 東京へ来て 町内会の餅つき大会に参加しましたが、杵も臼も違うし ついている最中の水の量も違いますので 大変とまどいました。
水が多くなると 味に影響します。また つきあがったお餅を平台の上にのせる時 取り粉に 片栗粉 を使うか きな粉 を使うかによっても 味が違ってきます。
私の実家では ずっと 杵で 餅をついてきましたが、杵の素材は 桐 の木を使っていました。杵としては 非常に軽く柔らかい木の部類に入ります。
その理由を 親父に尋ねたところ「桐 であれば もち米に混じっている小さい石を 杵が拾ってくれるとのことでした。」
また 軽いので割りと小さい子供でも 杵を振り下ろすことが出来ます。私は 中学一年の時に初めて 最初から最後まで(コネからツキまで) 一人でつくことが出来ました。もちろん 相棒の「合いの手」(手水という)は 必要ですが、それは 私のお袋が やっていました。
若気の至りというのか 「餅は水を使わない方が 美味しい」と聞くと できるだけ水を使わないようにと 張り切ってついたものです。
また 餅は 「ツキ三分に コネ七分」といわれ 蒸し揚げたもち米をしっかりこねて 餅つきが出来るようにするのですが その際にも できるだけ水を使わないようにして コネていました。
だんだん粘り気がでてきて 水なしでは とても大変です。が つきあがったお餅の出来が良いと 無理をしてでも 張り切らざるをえません。コネが出来るようになって 一人前になったという感じがしました。
水を使わず 手早く 上手につきあがったお餅は 新鮮な卵のように こんもりと盛り上がっています。逆に 水をたくさん使ったお餅は 古くなった卵のように だらりと流れて平たくなってしまいます。
さらに お餅の取り粉を 片栗粉にした場合は 白くてきれいな仕上がりになりますが、雑煮にしたとき お汁が ねっとりとします。
きな粉を使った場合は 見た目は良くないのですが、雑煮に入れても 焼いても 美味しくいただけると思います。
そんなこともあり 4〜5家族分の餅つきをしてきました。朝から晩までということはありませんでしたが 14〜15臼 (一臼で二升のもち米を使う) をつく為 半日くらいはかかります。ついている最中から お持ちを食べまくる為、餅つきが終わると 何も口に入らないような状態でした。
それが 正月前の一大イベントであったことを思い出します。餅つきの後は お酒を飲むくらいしか おなかの中に入らないのです。
それ以外に よもぎ餅 とか 砂糖入りのかき餅 なども作りました。
よもぎ餅は 一度つきあがった餅に 蒸した蓬をつぶして混ぜ合わせ 再度つきなおします。全体がよく交じり合うまで つく必要があります。餅が冷えてくると ついてもうまくいきません。
かき餅は さらに大変です。つきあがった餅に 砂糖が入ると ぶつぶつに(バラバラに) 切れてきます。それを よくコネ 飛び散らないようについて 元の餅の状態まで戻してやる必要があります。この時も 餅が冷えてくると うまくいかないので 時間をかけないで つきあげる必要があります。労力的には 普通のお餅の 三倍くらい かかったとことを思い出します。
しかし みんなが かき餅 を欲しがるのをみると 「ついて よかったな。又 来年も。」と思ったものです。
餅つきには いろいろなこだわりがあったことを 改めて思い出しました。